プロレタリア文学の映画化で評価は分かれているが、私としては原作のパワーを感じさせる作品に仕上がっていると思います。
登場人物の思想は大正時代でも衣装は近未来風、しかし蟹を加工する機械プレス作業とカニ身を取り除く作業はきつく、(蟹漁をする)船はロシア船に襲撃され沈没の危険もあり、「常に死と背中合わせ」なのは今も昔も変わらない。
ラスト、今を生きるすべての人が同じ気持ちになるシーン。機械部品の輪の中に、人が手を組む象徴的なデザインの旗とともに彼らの願いは届くのか?暗いようで爽やか、軽いようで見ごたえのある作品。
問題は、果たして自分が脚本を書いてこのような社会性のある作品を制作できるだろうか。
世間に不条理が渦巻く現代に、一言意見を言えるだろうか。
いつか弱者が立ち上がる姿を描く作品を作ってみたいと思わせる映画でした。
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