「ぐるりのこと」 監督・脚本・原作橋口亮輔 キャスト 木村多江、リリー・フランキー FFビデオ制作

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『ぐるりのこと。』最大の特徴は、この二人の物語を90年代の大ニュースと並行して見せる点。幼女誘拐殺人から地下鉄毒ガス事件、小学児童殺傷事件など、すぐに元ネタが浮かぶいやな事件の公判シーンは大きな見所。夫婦が徐々に癒されていっても、世の中の闇は相変わらずで救いがない。

夫婦はどんな選択をするのか。つらい出来事から立ち直るため、人は何を必要とするのか。

何気ない会話が心に染み入る良質なドラマ。

お気に入りのセリフは次のものです。

「大事にできるものがあるときは大事にしとけよ」 これはいいセリフ、親や巣立つまでの子供、こんな自分に生涯をかけてくれた女房あるいは亭主、そして家族を養う仕事。大切なものをもっと大事にしないと。しかし、現役のときには見えないもので、退職して時間ができて初めて見え始めるものかもしれません。私も現役のときは仕事で精いっぱい、他のことを考える余裕はなかったと思います。

「女の手は小さい方がいい、チンポを握った時大きく見えるから」 これもいい。自信のない人には金言でしょう。尤も自信のある人は手の大きい小さいに関係なく立派なので気にも止めません。その上いつも褒められていますかその格差は天と地ほどの開きがあると聞きます。

「そんなに尽くしてるなんて、その人いい女なんだ」 人に尽くす姿を見ればその人柄がわかりますから言い得ていると思います。周りの人、目上の人には尽くす態度が美しい。退職するとなぜか結構女房が尽くしてくれている事に気づくものです。現役のときは俺はもっと大変なんだと仕事しか考えていませんでした。家族を養うために懸命に働く姿は家族に尽くしているという面もあったと思います。

映画のセリフは時間をかけて考え尽くしてありますから心に響きます。

また、心情の変化を照明と演出で表現しています。

キャストの二人もいい味を醸し出しています。このような人間味を表現した脚本によく登場されます。

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