クリスチャン・ベールを主演に迎え、バットマン誕生の伝説を描くエンターテインメント超大作。監督は『インソムニア』のクリストファー・ノーラン。リーアム・ニーソン、モーガン・フリーマン、ゲイリー・オールドマンなどの演技派に加え、日本の渡辺謙も出演している。ヒロインを演じるのは、ケイティ・ホームズ。人間ドラマにスポットをあてた構成は既存の『バットマン』シリーズとは一線を画す。
監督のクリストファー・ノーランのソツのない演出は、最後までリズムを崩さない。「なぜバッドマンになったのか」という至極知りたかったことを描くに当たって、記憶操作の達人ノーランは、所々に入れるアクションをスパイスに、主人公ブルース・ウェインの心情の変遷にグッと肉薄し、それに寄り添って描いていく。何より心をくすぐるのは、両親の死や幼少体験のトラウマに悩むブルースと、決して彼を裏切らない老執事の関係だ。マイケル・ケイン扮する老執事が、常にユーモアを忘れずに飄々とブルースのピンチを救う、もろ英国紳士らしいチャーモングな魅力を振りまく。
素晴らしい作品です。
セリフがいい。
井戸に落ちて助けられて、人はなぜ落ちる? 這い上がるためだ。
人は恐れるものさ、理解できないものを。
人は目に見えないものを恐れる。
恐怖心は人間の五感を鈍らせる。
秘密は知らないほうがいい、私も人に知らないと言えるから。
人の本性は行動で決まるもの。 あなたはだれなのと聞かれて名前を言わずに「人の本性は行動で決まるもの」と答える。いい演出。
本当の俺はバットマン、これは偽りの顔。
シナリオ段階で徹底的にセリフを吟味しなくてはならないと思います。人の心に響くセリフにしないと伝わらない。
コメントする