「時の香り リメンバーミー」 監督 山川直人 キャスト 吹石一恵 斎藤工 FFビデオ制作

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時の香り枠2.jpg本国、韓国で2000年の観客動員数第4位を記録するヒットとなった「リメンバー・ミー」を山川直人監督、吹石一恵主演でリメイクした切ないファンタジック・ラブ・ストーリー。不思議な無線機を通しておよそ20年の時を隔てた男女が愛を育む姿を描く。
 1979年、東京。英文科に通う百合は親友の幸子とともに母校で教職実習をできることに喜んでいた。というのも、そこは憧れの先輩香取の赴任先でもあったのだ。淡い期待を胸に学校へ向かう途中、幸子は事故に遭い入院してしまう。学校では入院してしまった幸子が受け持つはずだった通信部を百合が受け持つことに。顧問の先生からは一台の古い無線機を渡され、仕方なく家へ持ち帰る百合。ある夜、その無線機から男の声が聞こえる。慌てて応答する百合。二人は無線での会話に夢中になるが、やがて青年が2001年に生きていることに気づく。<allcinema>

77分と短いので自主制作映画の下敷きにならないかという気持ちで見ました。しみじみ感の漂う作品、キャストの顔が三人とも小さいのが特徴。評価はまちまちですが私はいろいろ参考になりました。

どうして電源を入れないのにトランシーバーが動くのかは説明がありません。ただ赤い月の日に何かが起こったという設定。意味がわかりませんでした。

無線が終わった時のバシャッという音がありません。これと無線機を通した機械的なセリフの声がありません。これは大きく損をしていると思います。

無線機から聞こえる声は実際に無線機を通すと機械的な硬い声になります、そして会話の終わりにバシャっという切断音が入ります。これはトランシーバーだと必ずあります。私は昔、JA2TQHアマチュア無線技師でしたからわかります。トランシーバーは一方通行の会話方式なのでバシャの音がないと切れ目がわかりませんから相手が話せないのです。電話のように同時双方向会話ではないのですから。

もしそうしていたら画面がきりりとしまったと思います。映画はマナの声だけだと緊張感がなくなります。ただセリフの交換をしている、説明セリフとなりやすい。しかし、車の音や爆発音、ピストル音、殴り合いの音、機械的な音を入れることで音に変化が生まれます。すると視聴者の耳が喜ぶというわけです。これは実際にトランシーバーの音を映画に入れた経験がありますから間違いありません。講評もトランシーバーの音を入れた途端画面の印象が閉まってよい結果になりました。そう、音の変化を仕込むべきだったと思います。

人は香りがするの、香らなくなったら死ぬ。どんな香りなんでしょうか、体臭ではなく存在感? 目をつむれば香るとはイメージ? 生きていないと香らないのは花? 人を花に例えているのでしょうか。擬人化ならぬ擬花化。時の香りとはその時代に生きている人が花のように香っているということ?

脚本のテンプレートにする場合、いろんな趣味の人がいて、物語の導入は教育実習、もしスポーツなら無線ではなく練習に集中して疲れて帰って眠った時に夢で出あうとか。試合の前日に夢で出会う、スポーツ用品店あるいはクラブハウスの鏡に自分を映したときに相手が現れるとか。考えれば骨格をテンプレートにすることはできるように思います。

ところでこの映画は何を伝えたいのでしょうか。愛ではない⇒相手のために命を投げ出さない。

恋愛でもない⇒sexがない。

信頼でもない⇒自分の手足の代わりに重要なことを頼んでいない。

時を超えた出会いを通して運命の何かを伝えたいのでしょうか。20前と現代の差がほとんどない描き方はどういう意味があるのでしょうか?車だけは古い時代のものを使っていましたね。昔流行ったハッチバックというタイプ。しかし、20年後ではバイクを使っていますから対比ができない、だから同じ時代に見えてしまうのかもしれません。セリフの年代説明ではだめですから。

韓国では「バイ・ジュン さらば愛しき人」という題名ですから分かりやすくて納得できます。日本のリメイク版のタイトルの意味を知りたいものです。

面倒見のいい娘役は、韓国では「ハ・ジウォン」が演じていたとするとイメージが少し変わるかもしれません。竹内結子似ですから。私はチェオクの剣で嵌まりました。

キャスト選びと作品のイメージは本当に大切。日本のキャストもよかったと思います。ほんわりとした映画でした。

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