「カオス・セオリー」 監督 マルコス・シーガ  キャスト ライアン・レイノルズ FFビデオ制作

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1日の行動全てをリスト・アップし、忠実に実行へ移していたフランク。妻スーザンはそんな彼に余裕を持たせようと時計を10分ずらすが、間違えて早めてしまう。彼の予定は目茶苦茶になり、不幸が重なって妻に不貞を疑われ…。

人生の効率化を計るため、何事もリストに書き出してから行動しているフランクが、ちょっとした事からとんでもない事になっていくお話です。とんでもない事と言っても、ヒッチコック作品みたいに陰謀に巻き込まれたりという事ではなく、一般人の普通の人生の中での一大事。流れ的には予想もつかなかったけど、こういう事態は決してありえない事ではなく、フランクと一緒に驚いたり悲しんだり。

カオスとは最初の小さな誤差が結果として大きな誤差になるということ。人生そのものと言いたいのかもしれません。結婚はまさにその通りで同じような相手なのに長い人生で大きく結果が変わりますね。映画のように180度変わる場合も。

最初にカード二枚から新郎に選ばせるシーン、同じことが書いてあると思いました。そしてラストでカードを開けたらやはり同じ言葉が書かれていてコントロールされたことがわかります。手品の常とう手段ですね。

ちょっとしたアクシデントから出産前の母親を助け、病院の父親欄に自分の名前を書いたことから騒動が起こり、自分の子供ではないことを証明するために医者で精液を鑑定してもらいますが、生殖能力がないことを知らされて、では今の自分の子供はだれの子供なんだという切り換えし。ここが一番いい。物語の流れを現実的な理由で反転させる。観客はこれほど楽しいことはありません。

一日の行動をきちんと計画するのは「アクションプランナー」と同じ。効率よく一日を過ごすための道具。私も使っていましたがフランス製で高価、今は安価な陰山手帳を使っています。確かに細かく計画するとそのように行動できますが、突発的な出来事、楽しみ、好きな時間を過ごす人生の味わい、プラスもあればマイナスも。私は計画は最小限にして、思いつきで行動できる部分を残しています。

それにしても素晴らしい切り換えしの効いた作品でした。家族愛の形、生みの親と育ての親、血や遺伝子は分けていなくても愛情(娘のために命を投げ出せる)があればそれは実の娘であること。愛もテーマにした映画でした。セリフが素晴らしい。

演出もよく苦悩する父親ぶりがよく出ていました。脚本の参考になる作品です。

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