「ナイロビの蜂」 監督 フェルナンド・メイレレス キャスト レイフ・ファインズ  レイチェル・ワイズ  FFビデオ制作

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ナイロビの蜂1枠.jpg『シティ・オブ・ゴッド』のフェルナンド・メイレレス監督が、冒険小説の巨匠ジョン・ル・カレの原作を映画化。妻の死に世界的な陰謀の存在を嗅ぎ取った主人公の心の旅路を、ナイロビの雄大な自然を背景に映し出す。命を賭けて謎に迫る夫を『イングリッシュ・ペイシェント』のレイフ・ファインズ、不慮の死を遂げる若妻を『コンスタンティン』のレイチェル・ワイズが熱演する。愛の強さと尊さを壮大なスケールで描き出す感動作。(yahoo映画)

この映画は映像が明るく発色もいいです。「愛を読む人」と映像感が似ていますね。映画は暗い映画館で観ますから普通は暗いのですが、この映画は全体に明るくカラーグレティングしてあります。

タイトルがいいですね。国家レベルで違法行為を行う製薬会社と戦うテッサの姿は蜂の一刺しそのもので良く内容が現れています。

イギリス外交官のジャスティンと、弁護士で活動家のテッサの愛と戦いの物語。

どう考えてもテッサが年上の外交官を誘惑して自分の革命に利用したと感じました。どうも男性は若くて美人の女性が誘惑するとあっという間に落ちてしまいます。その甘い肉体には何の抵抗もできないのですね。講演会でいちゃもんをつけて1:1で話す機会を作り、自宅に送らせて撃沈。一応双方の利害が一致して出会ってすぐに惹かれ合ったふたりは結婚ということに、ジャスティンの赴任先アフリカに渡ります。これもアフリカに行くと知っていたから誘惑されたと思います。テッサは口が悪く、歯に衣かぶせぬ発言を連発して観客と周囲をハラハラさせます。あれだけ大っぴらに活動すれば殺されて当然ですね。金で殺し屋を雇われたらしまいです。妻の死は活動を妨害する相手からの刺客? 真相に迫るジャスティンが見た妻の秘密とは、テッサは自分の身体を引きかえに男から機密情報を手に入れていきます。

この映画は恋愛とサスペンスの要素があり、ラストで敵を追い詰めるところまで行くこと。愛しているから秘密にした妻。彼女が自らの愛と信念を貫き通し、彼女の大きな愛を知り応えるジャスティン。二人は命を捧げます。

弱者を食い物にする国家規模の医薬品会社の陰謀は恐ろしく、アフリカの悲惨な現状についても見事に表現しています。アフリカではこんなにも命が安い、軽いなんてショックでした。

本作でアカデミー賞助演女優賞を受賞したレイチェル・ワイズは好演。奔放な救援活動家は身体を張って、命がけで革命にのめり込んでいき、そして殺害されます。その意思を夫が継いで、兄が支援して結実させていきます。レイフ・ファインズの穏やかな中に秘めたる気持ちを表現する個性的な演技。独特の味がありますね。

メイレレス監督の時間軸を操る脚本と編集、カラコレのの巧みさに感動します。脚本はやはり命をかける物語にしないと重みが出ないと感じました。命をかけて何かにのめり込む、命を落としても次の人が遺志を引き継ぐ、そしてまた殺されて次の人が引き継いでやっと退治できる。そんな重みのある脚本ですね。

こんなに感動を呼ぶ素晴らしい脚本、国家レベルの悪事と戦う主人公を描くのはいいのですが、取材していいるうちに刺客を送られたら困りますね。多分国家レベルの悪事はネタに不自由しないと思います。出版社系の週刊誌は国家レベルの不法行為すれすれのグレーゾーンの事を結構追求していますよね。よくやるなというのが感想ですね。正体を出して資金力のある相手と戦うにはリスクがあると思います。

だから匿名の機密暴露サイトやハッカー組織が活躍するのかもしれません。多分個人が特定されないように個人情報は何も持たないのだと思います。ニックネームか会員ナンバーだけで何も持たない。何も知らなければ踏み込まれても情報が存在しませんから安全です。強大な敵には自分の存在を知らせないことが一番安全ですから。

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