「チェ 28歳の革命」 監督・撮影スティーブン・ソダーバーグ キャストベニチオ・デル・トロ FFビデオ制作

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キューバ革命の英雄チェ・ゲバラの実像に迫った伝記映画の前編。彼がカストロとともに反乱軍を率いて勝利するまでを描く。

キューバ革命の英雄チェ・ゲバラの実像に迫った伝記映画の前編。スティーヴン・ソダーバーグ監督がジャングルの行軍と戦闘を再現。英雄像の裏に隠れた人間味溢れるゲバラの姿を描いています。国連での演説も再現、ゲバラをスクリーンに焼き付けたベニチオ・デル・トロの演技はカンヌ国際映画祭男優賞受賞に。

映画は全編スペイン語。チェ・ゲバラがメキシコでカストロと軍事独裁政権打倒で意気投合し、ゲリラ部隊を率いて民衆を味方につけ、軍事政権を倒すまでとキューバ革命成功後、政府代表として国連で革命の意義と新生キューバの正当性を主張する演説がフラッシュバックで進みます。
ゲバラ役のベニチオ・デル・トロの演技が素晴らしく、実物そのものに見えます。

監督が描きたかったのはボリビアに渡って革命闘争に失敗し、非業の死を迎える部分。それを描くにあたってキューバ革命に身を投じた過程を描く必要があったとのこと。

ゲバラは医者として何不自由なく暮らせる人生を捨て独裁政権に抑圧されるキューバ人救済のために人生を捧げ、持病の喘息に苦しみながらゲリラ戦を闘い、革命家として大きく成長していきます。

けが人は放置しないで担架で運びます。国連でキューバは正義の側に付くといいます。

ジャングルを行軍する兵士の姿は緑色の樹木の背景の元で美しい映像です。映像はジャングルの先頭と国連でのゲバラの演説の姿が交互にフラッシュバックして描かれています。それが革命後の国連がモノクロで過去のジャングルのゲリラ戦がカラー映像なのです。

ゲバラは革命にとって最も大切なものは「愛」だと言います。国に対する愛、家族への愛、兵士に対する愛ですね。

裏切り者の兵士の射殺シーンからピストルの音を介して国連の拍手のシーンに切り替わります。

傀儡政権による政治支配を終わらせ、長い服従から目を覚ます。これは耳の痛い言葉ですね。どこかの国が戦勝国から押し付けられた憲法改正論議で同じようなことが言われていました。押し付けられたとはいえ67年何も戦争をしないで済んでいてメリットもあるはずなので複雑だと思います。押し付けた方は他国と戦争ばかりしていますから。

カストロはキレ者で、大事なのは去った兵士ではなく残った兵士とこれから入ってくる兵士だと言います。

個人は人間本性を満たし、表現する自由がある。これもいいセリフです。

おもちゃを一つ持っている子供は二つ四つと欲しがるこれは人間の本性そのものだ。その通りですね。

迫撃砲で攻撃された時皆に太い箸のような木を口にかませていました。爆撃の時に思いっきり歯を食いしばるため歯を痛めないように木を噛ませているように感じました。そんなことするんだ。

ゲリラは腕に「26」と書いた腕章をつけています。番号を付けて仲間を区別するなんてよくわかりますね。

軍隊は命令で動きます。死の淵でも兵士は命令で動きます。つまり組織体はトップを攻略すれば敵は戦闘を停止しますね。組織体で有れば何事にも通じると思います。

ゲバラは農民の兵士に社会的なルールや読み書きを教え、勝利に酔う部下の略奪や横暴も厳しく戒めます。住民を敵に回しては勝利はあり得ないということですね。ゲバラの人柄と指導力が民衆の支持を集めます。

ハバナに侵攻する道路で、敗走した政府軍の兵士から真っ赤なオープンカーを奪って進行するゲリラ兵に車の返却を命令します。そして電車かジープ、あるいは徒歩で来いと言います。国を開放する信念の人だという演出ですね。

感動的なのは第二部への観客勧誘もありますね。素敵なゲバラに描かれています。

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