「眉山」 監督 犬童一心 キャスト 宮本信子 松嶋菜々子 大沢たかお  FFビデオ制作

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末期ガンの母親と、母を看病するために帰郷した娘、母の治療に尽力する医師が織りなす情感あふれる感動物語。さだまさしのベストセラー小説を原作に、『ジョゼと虎と魚たち』の犬童一心監督が、母の恋と娘の恋がつむぎ出す奇跡を映像化した。母の想いを知り成長するヒロインに松嶋菜々子、彼女を支える医師に大沢たかお、母親役を10年ぶりの映画出演となる宮本信子が演じる。家族、恋人、友人、故郷について再考させられる(yahoo映画)

宮本信子さん演技力が抜群で主演になっていますね。大変演技の上手い女優さんです。

ご当地映画ですよね。阿波踊りの映像が長くで誰でも宣伝用だと感じます。しかし、ドラマのストーリーのBGMと阿波踊りの音が区別されていてドラマはきちんと進みます。ご当地の映像とドラマの扱い方が参考になります。最後には祭とドラマが一体化しますが、そのシーンは祭とBGMがMIXで流れます。

親子は血を分けあっているのですが、なかなか気持ちが一つになりにくいのかもし手れません。親が生活してきた苦労や独身の頃の心情は子供が社会に出てから時間をかけて理解していくものなのですね。

ピンボケの映像からスタートします。神社では手を叩いて拝むと子供のころの思い出のシーンに切り替わりフラッシュバックします。その時に父親の腕時計を見たことを思いだします。これは伏線で、後日父親に面会する時に同じ時計をしています。腕時計って電池交換したら30年も使えるのでしょうか。私も25年ほど前に私としてはいい時計を買って、今でも使っていますからモノによっては何年でも使えるのかもしれません。電池交換に行くと時計屋さんが珍しいと言って眺めていますから。

東京の個人医院の父親に会いに行っても奥さんがいるため話ができません。もうすぐ踊りの季節ですね。徳島のことです。踊りはもう30年も観ていません、よろしければ遊びにいらしてください。と言って別れます。ラストで祭に父親が現れて母と父はお互いの姿を見て頷きます。父親は献身的に尽くしてくれる妻を捨てられなかったのです。

祭を見に行く時に母親は病室で着物を着ます。娘も着物を着てきますが「咲子イッパシノ女になったね」といいます。咲子は白い着物の多い祭でひと際目立つように緑色の着物です。主人公ですから。

母親は最後で先生に娘をよろしくと頼み、先生は頷きます。祭の中で母親と父親が目を合わせている姿を咲子は見ます。そして涙を流します。そのシーンは当然アップですね。ここで泣けます。

昔の思い出が下敷きにありますからフラッシュバックで思い出が挿入されます。母親が父から貰ったのルビーの指輪も思い出のシーンに出てきますし、最後に咲子に形見として渡します。

この映画は親子の確執や信頼感の変化を上手く描いていると思います。個人的には父と母の再開シーンがもう少しドラマチックでればと感じました。これは祭のシーンが長くてドラマの進行が一時停止していたために少し物足らなさを感じたのかもしれません。葛藤も深くはありません。阿波踊りのシーン長すぎます。編集で地元に相当サービスされたのでしょう。ご当地映画としては地元で喜ばれたらいいのでしょうね。

ご当地映画を作る場合、ストーリーに意味のない地元の祭りなどのシーンが長くならないように気を配りたいですね。むしろ主人公が祭そのものにかかわっている、主人公の映像が物語として祭の中にあり、観客がコマーシャルの意識を持たずにドラマだけを見ている気持になるといいですね。

それでもストーリーがしっかりしていて、演技が素晴らしく泣けました。ご当地映画の参考になるいい映画だと思います。

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