「恋の罪」 監督 園 子温 (その しおん) キャスト 水野美紀、神楽坂恵 FFビデオ制作

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言語学の角度から読める。言葉の問題、言葉の意味の問題。
「城」という言葉、「城」という言葉の意味を探しに、主要人物たちは、
「ごみ回収車」を追うようにどんどん日常と離れた場所へ堕ちてゆく。
「涙の意味を分からなければ、ただの水だ。しかしその意味を分かったからそこ、
あなたの涙のなかに立ち止まることができた」というように。
観客も、「恋の罪」という意味の城に囚われる。

フェミニズムの角度から読める。裏を持つ女性。影を持つ女性。
女性は美しい。女性は激しい。

しずこには、夫への愛情という救いさえ破滅した。
ワンピースの裾をたくし上げて、路上で放尿するまで、
おばあさんの予言どおりに、徹底的に下品になった。

言葉には肉体がある。言葉は、身体そのものだと。
言葉の意味へたどり着くには、身体を通してしかないと。
しかし、愛のないセックスそのものは、意味を持たない。欲望する本能=意味からの解放である。
金によってはじめて、意味を持つ。5000円を拾ってはじめて、菊池いずみという名は意味を持つ。

第64回カンヌ国際映画祭・監督週間部門でワールドプレミア上映。

1987年、『男の花道』でぴあフィルムフェスティバルグランプリを受賞。PFFスカラシップとして制作された『自転車吐息』がベルリン国際映画祭で正式招待作品となるなど、90年代にはインディーズ系映画界を席巻。荒木経惟麿赤児吉本ばなな横尾忠則荒川眞一郎など多数の著名人が園の作品を絶賛した。1999年文化庁新進芸術家在外研修員としてアメリカに留学。

役者への演技指導が厳しく、作品の為には納得のいく演技が出るまでOKを出さず、罵声を浴びせることもあるが、役者によってはほとんど演技指導がないこともある。自然に出てきたアドリブなどは全然問題ないと話す。

2011年10月23日、監督した映画「冷たい熱帯魚」「恋の罪」に出演した神楽坂恵と婚約。

 

はっきり言って園子温監督は天才。神楽坂恵みと結婚していますから好みのタイプもよくわかります。私たちと同じ男性ですね。

作品にはオリジナリティがあり、キャストは体当たりの演技。エンディングまで作りこまれています。素晴らしい作品です。

SEXにストーリーを持たせて、生殖の目的を持たない感情表現に利用。文化を持つ人間はSEXを人前ではしません。動物とは違う点です。SEXは動物共通の子孫を残す本能で、男性も女性も快楽と併存する生殖機能を果たしています。すべての人がする行為なのに、どうして隠すのでしょう。秘めることでさらに価値を持たせているのでしょうか。

SEXとトイレは誰でもするのに何故か隠します。昭和の時代、おばあちゃんは後ろ向きの中腰で畑で立ちションしていましたから、小学生低学年のころはな男も女も平気で立ちションするものと考えていました。

昭和30年代までは多分女性は腰巻一つ、いつから女性用のパンティーとブラジャーをつけ始めたのでしょう。昔は日本では必要なかったのに。アメリカから入ってきたのかな。必要のないものに理由をつけて必須の下着にするなんて大した商売人です。

また、キスは昔は恥ずかしかったけど今は公衆の面前でも自然です。トイレは排せつ物で悪臭が伴いますから公衆の面前には適さないでしょうが、SEXは動物や昆虫のように将来キス同様にいつでもどこでも可能になるかもしれません。時代とともに変化するものだと思います。そんな想像をさせる作品でした。

SEXは特に女性には出産の苦痛にも勝る快楽が与えられていると言われますから、このテーマは人類共通のものだと思います。

インターネットもエロが下敷きで世界に広がり、将来にわたって最も大きな快楽を伴うSEXは世界中で語られ、映像等で表現されていくのだと思います。避けては通れない人間の本能として。

私もいつかは人間の本能を表現する作品を作るかもしれません。

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