「ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士」 監督 ダニエル・アルフレッドソン キャスト ノオミ・ラパス  FFビデオ制作

| コメント(0) | トラックバック(0)

ミレニアム3枠.jpg全身にタトゥーを入れた天才ハッカー、リスベットの活躍を描いたベストセラー小説を映画化し、ヨーロッパで大ヒットを記録したミステリーのシリーズ完結編。政府の秘密を知ったことで命を狙われるリスベットが仲間の協力を得て、法廷で戦いに挑む。主演は本作で一躍ブレイクし、国際的スターとなったノオミ・ラパス。

ミレニアム2を観たら、やはり私も中毒に、直ぐにミレニアム3を観ました。サスペンスの楽しさは引き込まれるところにあります。全てを忘れて次々と観続けることになります。昔、ディクフランシスの競馬のサスペンスにはまって毎晩寝るのを忘れて小説を読み続けたことを思い出しました。そう、私は嵌まりやすいのです。ツインピークス、ダークエンジェル、チェオクの剣、24、FRINGEと嵌まりましたから。

ミレニアム3はミレニアム2の続編で、救助されるヘリの中の映像から始まります。フラッシュバックで前編のラストシーンのポイントを映します。生き埋めにされて蘇り、ピストルで撃たれても生き延びます。

機密事項はやはり燃やして消し去るのが一番です。証拠が残りますから。ストーリーとしては敵方の仲間割れというのもいいですね。

そしてリスペットはいつもタバコを吸います。タバコの演出についていろいろ言う筋もあるようですが、私はノーコメントです。自分は25年前にタバコはやめましたが、今はたまに葉巻をやるくらいですね。葉巻は肺に入れませんから本人の健康上は問題ありません。嫌煙だけですね。

しかしながら、東京では飲み会の仕上げで高層ビルのホテルラウンジで仕上げに葉巻をくゆらせることを教えてもらいましたから、これがまたいいのです。あくまで葉巻ですから健康的です。問題は映画の演出上どう扱うか、これは脚本次第でしょうか。脚本でタバコや葉巻をくゆらせると指示してあればそうするしかありませんし、なければ喫煙シーンは無くなります。タバコを吸うシーンを入れるかどうかは脚本家の問題ですね。

病院ではいつも無表情なリスペットが父親が殺されたという話を聞いて一瞬顔をほころばせます。いい演出。

肝臓ガンで余命わずかの老人がリスペットの父親を殺しに行き、そのあと自殺します。余命がわかっていたら何か命がけのことができるという演出。これは自爆など現実にあり得る話で怖いですね。

この映画では、悪者たちは機密を食べて生きているように描かれています。機密情報が彼らの命だとわかります。そのために生きている。機密事項はメモをとることも禁じられていた。これはいいセリフ。

足の悪い老人の杖の付き方については、杖は足のよい側につくのですが、階段のシーンでは逆になっていました。そして平坦な床になるとまた杖を持ち変える。演出は細かいところまでやらないとリアリティさが出ないということがわかります。

秘密の話をしている時のカメラアングルはガラス越しに、これも普通の話ではないと伝わります。

裁判では相手に自由に話させて、相手の弱点が出るのを待ちます。そして自分たちの土俵に引き込んで致命的な証拠を出します。第一話で理不尽な後見人にレイプされるシーンを隠し撮りしてDVDに焼いていたものが徹底的な証拠になります。第一話で伏線を仕込んでいたのです。

そして、友人のデブ放浪者風のハッカーが精神科医のPCをハッキングして彼がロリコンマニアで写真を8000枚も持っていることを突き止め、ダウンロードします。何といっても最後は機密情報の証拠が逆転劇を支えますね。

裁判ではモヒカン頭のリスペットの顔をマクロレンズでとらえて強調しています。これもその心情を見事に演出しています。

ラストは頭のいいリスペットが腹違いの凶暴な兄をレンガ工場に足止めしておいて、敵対するバイクマニアに通報、彼らは復讐のために殺しに行きます。同時にリスペットは警察に電話してバイクマニアたちがピストルを持ってレンガ工場に入っていったと伝えます。そして、兄は殺され、バイクマニアは殺人で逮捕されて、リスペットは無関係になります。そう、違法行為は他人を使ってやらせて、警察にも知らせて逮捕させる。こうすれば一件落着で八方うまく収まりますね。

実によくできた脚本で、観る人を中毒にしてしまうほどの魅力があります。最高レベルの素晴らしい映画でした。

トラックバック(0)

トラックバックURL: https://www.ffvideo.biz/mt/mt-tb.cgi/122

コメントする

homepage_bnr.gif

カテゴリ

ウェブページ

タグクラウド