凄いね、東京制作の朝ドラ「とと姉ちゃん」の映像はとても丁寧な作り込み FFビデオ制作

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東京制作の朝ドラは大阪制作作品の引き立て役だと思っていましたが、今度の「とと姉ちゃん」は違いました。心を入れ替えましたね。

一日目は移動日で見られず、二日目を見たのですがとても映像が美しく、丁寧に作り込まれています。小津安二郎監督方式の奥行きの深い背景は奥行きの照明まで丁寧に当てています。

今はないがしろになりつつある、古き良き日本の躾が映像化されています。これでこそNHKです。

ツン姉ちゃんのお箸の持ち方は握り箸に近く、演出で正しい持ち方にすべきでしたね。視聴者はキャストの箸の持ち方をまねるのですから。

映像の奥行きは演じるキャストの部屋から次の奥の部屋、そして奥の部屋から見える景色や間取りまで作り込んでいるという意味です。それぞれを美しく描いていますね。その結果映像にリアリティが生まれます。奥行き三重のセットですから予算は三倍近くかかると思いますけど。

この奥行きを出すためにガラスは全部透明で景色が見えるようにしています。冬のシーンで火鉢を出しているのにふすまを開けて奥行きを出しているのは本当はリアリティーがありません。昔の家はサッシではありませんから隙間風がとても冷たかったのです。だから冬は閉め切って火鉢を入れますから、透明ガラス越しに奥行きを見せないといけませんね。

照明はキャストの心情とピッタリ一致していて顔の明暗がキチンと使い分けられています。キャストの喜怒哀楽の心情変化が自然と視聴者に伝わりますね。私好みの照明です。

また、アングルも丁寧です。色温度も電球まで下げてひと肌を美しく仕上げています。寄りでは被写界深度も浅くして背景をぼかしたり、引きでは奥行きの深い背景を写し込んだり見ていて飽きません。これらが相まってとても美しい映像に仕上げていますね。東京作品とは思えない丁寧な作りです。

カラーリングについては、下の子供二人は赤い服装、上の姉は青、お母さんは黄色系統でいつもきちんと色分けして登場人物のイメージカラーを維持しています。日本の映像はどうしても暗い、白黒を基調としていますが、海外の作品はとてもカラフル。衣裳や背景、そして大道具のカラーリングも含めて朝ドラのカラーリング手法についても注目していきます。

カメラアングルもどこでレールを使っているのか、どのような効果を出しているのか。クレーンはどのように使っているのか、カットごとの撮影方法はある程度決まってきますから参考になります。人が止まって話していたらカメラが動いて映像に動きを与えるように撮影しますね。とにかく動画は動きが無くてはなりません。動かないと静止画と同じで紙芝居になりますから。

キャストは人気のある人を配置して視聴率を稼ぎ、映像の美しさに拘った今までとは一味違う作品だと思います。ストーリーは問題なく展開するでしょうから演出と映像を主体に見ていきます。

これから毎日見て参考にします。映像のアングルや被写界深度、撮影機材、ドリーやレール、色温度、照明、背景の作り込み、キャストの立ち位置、衣裳、メイク、録音、声など総合的にどのように作り込んでいるのかを考えて楽しむ事にします。

自分が同じ作品を作るとしたらどのようにセットを作り、どんな照明をあてて、録音はどうするのか、アクションもどうつけるのかを考えてロケ隊をイメージしながら映像に映り込んでいないスタッフの配置まで想定していきます。朝ドラの映像は一流のロケ隊そのものですからね。

やっと東京作品もやる気を出してきました。映像品質を高めて来たのはテレビから視聴者が離れつつあるのを食い止める目的ですね。朝ドラ制作のノウハウを一つづつ探して自分のものにしていきたいです。ヽ(^o^)丿

監督は自らのレベルを高めておいて、明確な完成作品のイメージ、作り込み知識や経験がないと到底一流の撮影技師や録音技師、照明技師、美術部等を使いこなせないからです。作品は監督の要求レベルに合わせて作られるものですから。

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